会長挨拶

 


会長就任のご挨拶

 

 

 

庄司 るり
Dr. Ruri Shoji
 国立大学法人 東京海洋大学

 


 織田前会長が就任された2018年は、創立70周年の記念行事、32年振りの日本でのIAINとANC同時開催という大イベントの実施や25年振りの航海用語集の公開等を行った節目の年でした。その後は、これまで抱えてきた様々な課題を整理し、解決策や新しい学会の在り方を模索してきた期間だったと思います。この間、長年議論があったNavigation への広告掲載や内容の改良、会員増や学会運営の見直し、積極的な情報発信等の取り組みが行われてきました。これらを次に繋げようとしていた矢先に、56年振りに開催予定の東京オリンピックが延期され、世界中がコロナ禍の真っただ中という状況となり、講演会の中止やオンラインでの総会開催など、学会運営においては前例のない対応をさせていただきました。皆様も経験されたことのない3か月余を過ごされてきたのではないでしょうか。この状況下での会長就任には大きな重圧を感じていますが、皆様にご協力をいただきながら、努めを果たしていきたいと思っております。

 近年では多くの学会が、少子高齢化や研究の細分化などの影響による会員数減少、学会の果たすべき役割やその存在意義の変化などの問題を抱えていると言われています。特に、運営の労力と財政基盤の弱さから、300~1,000名程度の規模の学会が一番苦しいとも言われ、本学会の規模はこの範囲にあります。すぐにこの範囲を超えるのは難しいでしょうが、会員を増やすことと財政基盤の安定化は、常に目指すところです。また、本学会で扱う分野は幅広いという特徴がありましたが、最近はその多様さは増しており、それぞれの深い内容まで入り込めない部分も増えてきています。「Navigation」という言葉も、今では広い分野で使用されるようになっていますので、不思議はないのでしょう。研究の細分化や多様化は、本学会の特徴から好機と捉えることもでき、本学会の役割、存在意義や将来のあるべき姿等について、あらためて考える「機会」としていけるのではないかと考えます。

 加えて、今期の理事は10名のうち、初めて理事になられた方が4名おられ、今後は新しい考え方や取り組みをご提案頂き、それらを取り入れて、本学会の高度化に繋がることを期待しているところです。ただ、これは理事のみや一部の有志で進められるものではなく、会員の皆様のご協力が必要です。何より、論文投稿や研究会などの活発な研究活動、積極的な情報発信や情報共有、若手の育成へのご支援等々、昨今の忙しい業務事情の中で時間をかけることが難しくなっている学会活動に、積極的にご参加いただくことが不可欠です。そして学会自体は、皆様のお時間をかけて頂く価値があるものとしていかなければならないと考えています。

 これまでの「伝統」や「慣例」の良いところは大切にしていきたいですが、継続に加えて必要な変化を進めていく2年間としたいと考えています。皆様から大切にされる学会を目指してまいりますので、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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