＜講演概要＞
　海上保安庁では，東京湾，伊勢湾，瀬戸内海等の船舶交通が特にふくそう
する海域においては，船舶の安全かつ効率的な運航を確保するために
海上交通センター（いわゆるVTSセンター）を設置し，海上交通に関する
情報提供と航行管制とを一元的に行っている。
　改正SOLAS条約では，2002年7月から2008年7月まで一定要件の船舶に
船舶自動識別装置(Automatic Identification System以下，「AIS」という。)
の搭載が義務付けられており，本講演では，これらAISを各VTSセンターに
おける船舶動静の管理ツールとして，従来からのレーダーシステムと融合した
システムを逐次整備を進めていく中で，東京湾海上交通センターにおける
1年余りの運用実績から，本システムの有効活用事例とAISの抱える課題に
ついて述べた。