「iモードを用いた沿岸航行支援システムについて」
船舶艤装品研究所 村山雅己
iモードに代表される、ネット型通信が行なえる携帯電話は、2002年3月
現在で5000万台以上が利用されている。著者らは、この携帯電話を情報通信
・測位・表示用端末として利用し、プレジャーボートや漁船などの小型船を
主な対象とする沿岸航行支援システムを提案した。
小型船は、現行のVTSやAISなどの航行支援システムの対象となっておらず、
またECDISなどの高価なシステムは全く搭載されていない。
ここでは、多くの人が日常利用している携帯電話の特性について、沿岸
航行支援システムの端末としての観点から検証し、簡易版VTS,AIS,ECDIS等
が構築できることを示した。併せて、提供できる情報の例を掲げた。
また船内LANの端末としても利用できることを述べ、落水者監視システム等
を提案した。
さらに、緊急時の救助用船舶に、携帯電話の基地局の機能を持たせること
を提案し、それによって可能となる新しい救助システムについて述べた。
種々の応用がある中の一例として、iモードによる沿岸航行支援を提案した
ものである。