「モーダルシフト対策と問題点」 松尾俊彦(広島商船高等専門学校)
「ルーチング問題の実用面での課題」 今井昭夫(神戸商船大学)
「震災時における救援物資の都市内輸送について」 小谷通泰(神戸商船大学)
「国際物流の課題と展望」 三木楯彦(神戸商船大学)
幹線輸送にモーダルシフトは必要かという問いかけに自ら答える形で展開される。モーダルシフトは純粋に国内問題でありながら温暖化や酸性雨といった地球規模の問題でもあるという指摘に引続き、モーダルシフトの経済学的考察を通して氏の一連のモーダルシフト研究のまとめがなされている。
近年の我が国の経済は、トラック輸送に支えられているが、トン当たりの輸送コストが高いことや大気汚染等の問題を抱えており、トラック輸送の共同化に関する実験が試みられている。このような共同化を進めようとすると集配でのルーチングを最適化しなければならないが、この問題を取り扱う古典的なルーチング問題(たとえばTSP)では集配先での停車位置の制約などは考慮されていない。
そこで、新たな試みとして移動制約をルーチング問題に加えて問題の解決を図る方法を検討されていることが述べられた。また、集配時のレートを計画するには事前の情報を用いて立案しなけれはならないので、事前に旅行時間データが必要となるため、この時間を推定するモデルについて研究している旨報告された。
まず、先の兵庫南部地震による大震災の被害状況と、その後の救援物資輸送の概要について写真等を用いて詳細に報告された。
次いで、その輸送の問題点について述べられ、特に緊急物資等のデポの位置が被災地内にあったことが大きな問題であったことが述べられた。また、行政サイドに救援物資等の物流に関する知識を持った人がいなかったことも迅速な救援物資の都市内輸送を妨げた大きな要因であったことが付け加えられた。
特集号に掲載された内容を報告された。