<講演概要>
 イカ類、特にアカイカ科に属するスルメイカ(Todarodes pacificus)は、
日本に限らず、世界中の蛋白資源として重要な水産資源であり、その資源
変動は大きい。1998年に日本のTAC(Total Allowable Catch:漁獲可能量)
対象種に選定され、より精度の高い資源評価と漁業管理が求められるよう
になった。スルメイカ漁業の特徴の一つは、照明を用いた漁法があげられる。
この灯りは、夜間可視衛星画像からも確認されており、これと海洋環境と
の比較により、時空間的なスルメイカ漁場形成や、資源の動態を明らかに
することは可能と判断される。そこで本研究では、主に人工衛星による
夜間可視衛星画像データを用いて、日本海におけるスルメイカの索餌・産卵
回遊経路について調べた。